厚生年金「月15万円超は1割」50歳で変わる《ねんきん定期便の内容》3号見直し論 ”当事者の本音” も
近年は物価の上昇が続き、「年金だけで老後の生活は大丈夫なのか」と不安を感じる人も多い。
だからこそ、年金制度の仕組みや現状を知っておくことは大切である。
日本の公的年金制度は、「国民年金」と「厚生年金」の二階建てになっている。
会社員や公務員が加入する厚生年金は、加入期間だけでなく、現役時代の給与水準によって受給額が決まるため、人によって大きな差が生じる。
厚生労働省の調査によると、厚生年金の平均受給額は月額約15万円である。
しかし、男性は約17万円であるのに対し、女性は約11万円と大きな差がある。
さらに、女性で月15万円以上受給している人は全体の約12%、およそ8人に1人しかいない。
背景には、結婚や出産、育児などにより働き方が変化し、厚生年金への加入期間や収入が短くなりやすいことがあると考えられている。
もう一つ知っておきたいのは、年金は額面どおりに受け取れるわけではないという点である。
介護保険料や健康保険料、住民税、所得税などが差し引かれるため、実際の手取り額は額面の85~90%程度になる場合が多い。
将来受け取る年金額は、「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」で確認できる。
特に、ねんきん定期便は50歳を境に内容が変わり、50歳以上では60歳まで現在と同じ働き方を続けた場合の見込額が記載されるため、より現実的な金額を把握することができる。
また現在は、第3号被保険者制度、いわゆる専業主婦などを対象とした年金制度の見直しも議論されている。
制度維持を求める声がある一方で、時代に合わせた見直しを求める意見もあり、今後制度が変わる可能性もある。
将来の制度や社会情勢を正確に予測することはできない。
老後を迎えてから慌てるのではなく、まずは自分の年金見込額を確認することが第一歩となる。
政府は、老後資産づくりを後押しするため、確定拠出年金(DC)の制度改正を進めている。
26年4月以降、企業型DCの掛金ルールが見直され、2027年には掛金上限の拡大も予定されている。
これにより、これまで以上に老後資金を積み立てやすい環境になる見込みである。
一方、公的年金だけで十分な生活を送るのは難しいという現実も変わらない。
退職後の生活を安心して迎えるためには、会社の退職金制度内容などを確認し、iDeCoや新NISAなども含め、自分に合った資産形成を早めに考えておくことが重要であると考える。
