丸亀製麺の欧州展開にFC導入 トリドール、英国軸に

 

外食激戦区の英ロンドンで、うどん店「丸亀製麺」が人気だ。

この丸亀製麺の欧州展開に関し、運営会社のトリドールHDの粟田貴也社長は、「フランチャイズチェーンで広げる」との考えを明かした。

人手不足などに悩む欧州では、店舗数の拡大に伴うリスクを抑える上でFCが最適とみる。

海外店舗を2023年3月期末に比べ5倍以上の4000店舗まで増やし、世界の外食大手に伍する「日本発のグローバルフードカンパニー」になるという目標を掲げる一方で、直営店で店舗網を広げる足元を「先行投資の時期」と位置づける。

現状ではまだ欧州の店舗で利益は出ていない状況だが利益については他の店舗も含めて3〜5年の間に黒字化を目指すとする。23年6月期の決算資料でも、英国の丸亀製麺の事業は「成長のための投資が先行している状態が続く」としている。

トリドール傘下で丸亀製麺は、連結売上高の5割以上を占める重要なセグメントだ。

23年3月期には過去最高の売上高を記録した。国内の店舗数も傘下のブランドで最大となる832店舗にのぼり、丸亀製麺以外にも、天ぷら専門店や焼きそば専門店などのブランドもある。

丸亀製麺以外のブランドが今後ロンドンに進出する可能性に関し、粟田氏は「期待していてほしい」と含みを持たせた。

さらに自社ブランド店舗の拡大だけでなく、現地の外食企業の合併・買収も狙う。

7月には、外食に特化した欧州投資ファンドであるキャプデシア・グループと共同で、ピザ店「フランコマンカ」などを展開する英フルハムショアを買収している。

ひと昔前のFCの外食と言えば安い・早い・そこそこ美味しいというイメージがありましたが近年では各方面での得意分野を寄せ集めることでハイクオリティの商品を作り出すことが可能となりました。

欧州では寿司をはじめ、日本食はヘルシーで健康志向の高い食事というイメージを持っている人も多くとても人気が高いのですが、伝統的な日本の味というより、自分たちの食文化を基準としたうえで日本食を取り入れて嗜む方が多いように感じます。それ故に“現地の方に好まれたら、それがすべて”という考えをもち、自分たちの味やノウハウを押し通すのではなく現地の方の意見を取り入れることで自分たちが現地の需要を探す姿勢やフレキシビリティもFCの海外進出をするのにはとても重要なことに感じました。また、そうすることによって海外での事業の展開をしやすくし、先の見通しに確固たる自信を持てるのだと思います。そんな丸亀製麺、欧州だけでなく弊社所在地の御殿場市への進出も大いに願うところです。