『トルコ大地震から1年 日本流の防災伝える』

トルコ・シリアで2023年に発生したマグニチュード7.8の大地震から6日で1年となりました。現在トルコでは防災への意識が高まっており、特に日本の防災対策への関心が高まっているという内容の記事を見つけました。

トルコ在住32年の日本人建築士 森脇義則氏は、2011年からトルコ全国の自治体や学校で防災に関する講演をボランティアとして続けてきましたが、23年の大地震以降は依頼が急増し、1年間の講演回数は50回を超えたといいます。

講演内容には日本と異なる点として『命の三角形』というものがあります。日本では地震が発生した際には落下物から身を守るために机の下に隠れることなどを教えますが、トルコでは建物自体の倒壊を想定します。倒れた壁が大型の家具に寄りかかり、床との間にできる三角形の空間に避難し救助を待つことに主眼を置いています。

トルコでは今後も人口密集地での大地震が予想されており、イスタンブール市が地震後に行った調査によると、市内120万棟の建物のうち、約300万人が居住する20万棟は特に倒壊の危険性が高く、緊急の対策が必要と推計されました。しかしながら建物所有者の4割は建て替え費用の捻出ができないためイスタンブール市による緊急診断を拒みました。

23年の大地震を受け、トルコ・日本科学技術大学は防災研究所の設置を前倒すことに決め、民間企業においては免震・制震装置を扱う川金コアテックが23年9月にトルコに事業所を設置しました。

2023年当時、「トルコは地震が多い国」というイメージを全く持っておらず、大地震の報道に強い衝撃を受けたことを思い出しました。

それまでは知りませんでしたか、トルコは複数のプレートが接する場所にあり、北と南には2つの大きな断層がある為、日本と同じように地震が多いそうです。日本と同じ地震大国なのであれば、なぜ建物の倒壊危険性がこんなにも違うのだろうかと思い、トルコについて調べてみました。

記事の内容にもあった通り、建物の建て替え費用の捻出ができないことの原因は、トルコの月収が低いからではないかと考えました。

トルコの平均月収は日本円で約6万円~8万円と言われており、日本と同等の耐震設備を整えようというのは現地の人々にとって非常に苦しい決断になるのではないでしょうか。

日本との技術的な連携や協力が進んでいけば、新たな地震による危機の回避方法を編み出すこともできるのではないかと感じました。

これからのトルコと日本の関係がさらに深まっていく可能性を感じた記事でした。