JRが外国人パスを大幅値上げ 訪日客価格、手本は途上国
日本経済新聞2023年9月25日 2:00より抜粋
「10月よりJRグループが大幅値上げを実施。購入方法によるが、上昇率は最大77%になる。ただしこれは一般の日本人はほぼ関係なく、訪日観光客が買える全国乗り放題の「ジャパン・レール・パス」でこの上げ幅になる。近年は利用者も急増し、新型コロナの流行前、日本の観光はアジアの新中間層が大量に来日するオーバーツーリズムに悩み、円安の今は物価と所得の内外格差という課題に直面している為、以前のような訪日外国人への大盤振る舞いが難しくなった背景がある。インバウンド再開で列車やホテルの予約が取りにくくなり需給逼迫と訪日客の経済力が価格を押し上げ、都市に富裕層が増え一般人が住めなくなるジェントリフィケーションに似た現象が日本はサービス分野で始まりつつある。解決法の一つに浮上しているのが二重価格制だ。ネパールやカンボジア、マレーシアなどでは外国人観光客には入場料を徴収したり、価格や料金を高く設定したりして、増収増益、地域インフラ維持、需要抑制につなげている。長く日本の観光の手本はフランスだった。国民がバカンスを楽しみ外国人はその土台に乗る。今後は外国人に頼って成長する新興・途上国のマーケティングに学ぶ場面が増えそうだ。」
バルセロナでは住宅がホテルや民泊になり家賃が高騰、観光での収入に大いに頼っているにも関わらず「反・観光」運動が起きているという皮肉な事実がありました。ものづくり大国として長きに発展をし、経済的な成長をしてきた日本も、近年の成長は芳しくなく、いよいよ観光収入に頼りつつある中で、表向きは「お金を落としてくれる」と歓迎しても内心ではこのような現象をはじめ外国人観光客の引き起こす様々な問題に違和感や反感が募るところもあります。
唯一無二の美しい自然、文化や、日本人の細やかで慎ましい人間性や高い技術によって作られる製品。多くの海外の方が来日を熱望する理由がわが国にはたくさんあります。もちろんそれらが当たり前にあるものではありません。対策をとることももちろんですが、私達自信が誇りをもって守り続けることが不可欠だと感じました。