Appleが株主総会「生成AIに投資」 EV中止は言及せず
アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は28日に開いた株主総会で、「未来を再定義する生成AI(人工知能)に多額の投資を行っている」と強調した。2024年内に生成AIの取り組みを発表する。電気自動車(EV)の開発計画の中止には言及しなかった。
EV中止報道から一夜明けた28日。クック氏は「新しい製品や機能について考える時は、ユーザーに最も有意義な影響を与えることができる分野で革新を起こすことを、とても慎重に考えている」と語った。
この言葉は、約10年かけて進めてきた自動運転EVの断念を象徴している。
アップルが目指したのは、自社で設計して製造は外部企業に委託する水平分業モデルだ。スマートフォン「iPhone」で成功した手法で、自動車も席巻しようと試みた。
だが差別化要素である自動運転技術の壁は高く、さらには追い打ちをかけるように、後発の腕時計型端末「Apple Watch(アップルウオッチ)」が特許侵害で米国販売が一時中止になり、特許の塊とされる自動車でも、業界に訴訟リスクはつきものだと懸念の声もあった。
開発の課題が山積するなか、開発断念を後押ししたのは、22年11月に米オープンAIの生成AI「Chat(チャット)GPT」の登場でオープンAIと提携する米マイクロソフトは時価総額でアップルを抜き、米グーグルや韓国サムスン電子は「AIスマホ」を打ち出す。アップルは長年サービスに機械学習を組み込む一方で、プライバシー保護を重視する観点から生成AIには慎重な姿勢があり、24年に入り株価は低迷した。
クック氏は株主総会でEV開発中止には無言を貫く一方、「生成AIの新たな境地を切り開く。生産性や問題解決において、変革の機会を提供できるだろう」と、生成AIシフトを鮮明にした。
EV車については、アメリカ国内ではテスラ社の充電規格がフォードやGMで今後採用されることになり、覇権を握ったとされており、日本国内でもテスラ充電スタンドの普及は、日々増えております。
このタイミングでのAPPLE離脱は、記事にもあった通り車の機器などは特許の塊で、採算性がとれないことが大きな要因だとは思いますが、Chat GPTの出現によるAPPLEの戦力増強の側面もあるかと思います。
今回は挑戦が実を結ばなかったかもしれませんが、本挑戦で得た知見や自動運転用に開発したシステムは、今後のAI業界などで活用できると言われておりますので、無駄にはならないと思われます。
APPLEの発売しているゴーグル型端末「Vision Pro(ビジョンプロ)」とMETAが販売する「META QUEST3」はともに、次世代型ゴーグル端末として期待されており、生成AIの活用が渇望されています。APPLE社も、これまでのメイン産業から近い産業ですので、存分に力を奮ってほしいと思います。
情報:日経新聞