米不法移民、規制後に急減

米不法移民、規制後に急減

出典:日本経済新聞 2023年8月7日(月) 日刊

米バイデン政権は5月中旬に、不法越境者の難民申請を原則受け入れないとの規則を取り入れました。

しかしながら、こうした移民の規制を敷く一方で、現政権ではスマートフォンのアプリで移民申請を受け付ける合法的な移民の受け入れを拡大しており、その体制が不法入国を抑えるのに一役買っているとのことです。

こうしたバイデン政権による移民の規制を行いながらの一部的な受け入れに関して、民主左派や人権団体は「公約破りだ」と反発し、西部カリフォルニア連邦地方裁判所はこの新体制を違法であると判断しております。

米国には移民を受け入れる気が全くないことは確かだと感じました。もし仮に積極的に移民を受け入れ、救済しようと考えているなら、スマートフォンのアプリを介した移民申請などという仕組みは取り入れるはずがないと思います。

調べたところ、移民が発生する主な理由は求職や貧困で、居住していた国では生きてはいけないことから、他国やほかの地域へと職を求めて移動するためだそうです。貧困で生きていけないと感じている人の中で何人、スマートフォンをもっているでしょうか。

とはいえ受け入れる国側の気持ちが全く分からないわけでもありません。移民を受け入れたところで、居住先、就業先、社会保障などが完備できる保証はなく、ただ働き同然の扱いをしても、バレなければ問題にはなりません。人権問題に発展するリスクは大国であれば大国であるほど避けたいと思うことなのでしょう。

今の世界に必要なのは、こうした現状を共有し、移民を受け入れる体制を整えるだけでなく、人口が流出している国に人口流出の原因・理由を考えさせ、改善に向かわせることなのではないかと感じました。