水素 商用化に向けてコスト減

日本経済新聞2023年6月6日 17:30より抜粋

「政府は6日、次世代の脱炭素燃料として有力な水素の供給増に向けた基本戦略を改定した。向こう15年間で官民あわせて15兆円を投じ、供給網を構築する。商用化を見込む2030年ごろまでに水素の価格を現状の3分の1程度まで下げ、普及を後押しする。
水素は燃やしても二酸化炭素を排出しない利点がある。一方、既存燃料の液化天然ガスより価格が4倍ほど高いため普及が進んでいない。政府は水素の製造と利用に必要な設備や制度を整え、既存燃料の価格に近づける。環境負荷が低い水素とアンモニアの普及を軌道に乗せるため、政府はLNGや石炭といった既存燃料並みに販売価格を抑えられるよう差額の補助も検討する。」

環境に良いとされているEV燃料の普及を推進めるのには気候変動、地震や自然災害が米欧に比べてはるかに多く国土も小さな日本は、それらの国に比べて安定した自然由来のエネルギー源の生産は難しく、限界があると言われており、何もかもを先進国の真似をすればいいというのではなくその国・地域に合ったエネルギーの確保をすることを目的として水素燃料が取り入れられるようになりました。現状では電気自動車のバッテリー充電に時間がかかることも問題です。とはいえ水素自動車はコンシューマーへの普及が設備面で現状厳しいため、電気自動車を近距離利用に限定した用途にし、長距離のバス、トラックなど行き先が決まっていて走行距離が長いケースでは、電気自動車より利便性が高いとされる水素自動車市場を開拓していくのが現実的なのではないでしょうか。

このような背景のなかで環境にも配慮した水素のコスト低減には再生エネルギーの導入拡大が欠かせず、水素技術の開発を急ぎつつ、国内の再生エネルギー導入を加速する両方の取り組みが重要になると思います。

残念ながら日本では国民の環境資源に対しての意識も高くはない為、燃料代の高騰ばかりを嘆くだけになってしまっています。設備や資源の変化を待つだけでなく我々使い手の一人ひとりの意識の変化や心がけでも今後のエネルギーのあり方を大きく変えることができるのではないかと感じました。