水原一平元通訳、罪認め司法取引へ

 

アメリカ司法省は8日、大リーグ、ドジャースの大谷選手の元通訳、水原氏が2021〜24年に自身の違法スポーツ賭博で抱えた借金返済のため大谷選手の口座から約1700万ドル(日本円にして約26億円)を盗んだ銀行詐欺、2022年の税務当局への課税所得の申告について、大谷選手の口座から得た410万ドルを隠した虚偽の納税申告などの罪を認め、司法取引に応じたと発表。司法取引の条件として、大谷選手への被害額全額の返済や追徴課税約114万ドルの支払いを求めるとした。

違法賭博問題の発覚を受け、水原元通訳は3月に球団を解雇。4月には身柄を拘束され裁判所に出廷したが、大谷選手やスポーツ賭博の胴元との接触禁止やパスポート提出、ギャンブル依存症の治療を受けることなどの条件を受け入れ、同日中に保釈されている。

最高刑は禁錮33年だが、アメリカメディアの見方によると司法取引により禁錮7〜9年ほどの刑となる可能性が高いという。

 

大リーグでは毎年、各球団の若手数人を研修に参加させて財務管理を指導している他、プロバスケットボールのNBAやプロフットボールNFLも選手が金融について学ぶ機会を設けていると別の記事で読みました。その記事によるとアメリカのプロスポーツ選手は通常、生活全面のサポートもする代理人と別に資産を運用・管理するマネーマネジャーと呼ばれる専門家をつけ、二重体制にすることで不正などを防ぐそうです。もしこの体制を大谷選手も取り入れていたら。もし大リーグが資産の研修メンバーに大谷選手を選んでいたら。大谷選手の信じる気持ちが踏みにじられることも、水原氏が途方もない返済に苦しむ未来を迎えることもなかったかもしれないと、いたたまれない思いになりました。

 

みなさんは、家に鍵をかける理由をきかれたらなんと答えますか。私は泥棒に入られないため、つまり自分とその周辺を守るためと思っていました。しかし、鍵をきちんとかけることで誰かを泥棒にさせない、という考え方もあるそうです。【魔が刺す】という言葉があるように、どんな善人でも誘惑に負けてしまう可能性はゼロではありません。

少しニュアンスは違いますが、仕事でお客様対応をする際、お客様が自分に都合のよい解釈をしてしまう誘惑につられて双方の手間が増えたりご迷惑をおかけしたりすることがないよう、こちらの意図をきっと理解してくれるだろうという甘えを持つことなく表記や案内に注意して対応していきたいと感じました。