最低賃金、1000円以上へ大詰め 中小企業は慎重
日本経済新聞
「最低賃金の引き上げを巡る議論が大詰めを迎えている。2023年度の上げ幅は約30年ぶりに前年度比4%を超える見通しで全国平均で初めて時給1000円以上となりそうだ。政府が掲げる目標は達成するものの、水準は他国に比べ見劣りする。生活改善の実感を得られるかも見通せない。
中央最低賃金審議会(厚生労働相の諮問機関)の小委員会は26日、23年度の最低賃金の目安を議論した。同日は結論を持ち越し、28日に改めて開く会合で決定をめざす。最低賃金は企業が従業員に支払うべき最低の賃金額ですべての労働者に適用される。
現在の最低賃金は全国平均で961円。政府は早期に最低賃金の全国平均を1000円以上にする目標を掲げ、岸田文雄首相は6月に「今年達成を」と呼びかけた。16年度以降、新型コロナウイルスの影響が大きかった20年度を除いて毎年3%以上の上げ幅が続いている。
国際的な比較で日本が見劣りする課題もある。日本総合研究所によると、23年6月時点でドイツの最低賃金は1749円、フランスは1679円、米カリフォルニア州では2000円を超える。
オーストラリアは7月から8.7%引き上げ時給で2200円超になった。韓国は19日、24年の最低賃金を前年比2.5%増の時給9860ウォン(約1080円)にすると決めた。インドネシアでも23年の地域別最低賃金が多くで前年比6〜7%台の増加となった。
先進国の最低賃金は日本と大きな差がある上、新興国との差も縮まっている。日本で働こうとする外国人が減る懸念が大きい。」
この記事を読んで賃金が上がること自体は喜ばしい事だが、企業にとっては人不足と言われている中で人件費も上がり、実際には人件費などの理由で倒産してしまっている企業も51件と昨年に比べ3倍に増加しており、これからも賃金を上げ続けるための対策を見出していかなくてはならない。
日本人のみならず外国から働きに来ている人達からしても、賃金はもちろん、その他環境などを整え、日本で働こうとする外国人を増やす努力もしていかなくてはならないと感じる記事でした。