日航機事故、全員脱出は「奇跡」 海外メディア報道

海外主要メディアは羽田空港で2日に日本航空機と海上保安庁機が衝突し炎上した事故を大きく取り上げた。

米紙ニューヨーク・タイムズは航空専門家の意見として全員が退避できたのはまさに奇跡だと報じ、脱出は乗務員と乗客の協力が成功した証だと指摘した。

乗客乗員の脱出を支えた一因とみられるのが「90秒ルールと呼ばれる原則だ。国際的な航空機の設計基準は、脱出シューターが開いてから、90秒以内に搭乗者全員が脱出できるように定められている。

日航によると旅客機の乗員は全員年1回、90秒以内の避難誘導を訓練する。

社員が乗客役となり、幼児がいる、機内外が暗いなど「様々な状況を想定して実施する」といい、筆記と実技の両方に合格しなければ即、乗務停止となる。

乗客がパニック状態になるのを防ぎながら誘導する声掛けは、訓練によるものだという。

パニックコントロールをすると同時に窓の外を見て、火が起きていないか、障害物がないか、海に不時着していないか、状況判断をほぼ同時に始める。

機長と連絡がつかなかった最後部の客室乗務員は自らの判断で、非常扉を開放するという判断を迅速に下したという。

むやみに出口を開ければ、機内に炎が入り込む恐れもあったとして訓練を踏まえた乗員の冷静な判断が乗客の安全確保につながったようだ。

また乗務員は荷物を置いて脱出することを呼びかけており、それに対して乗客は皆逆らうことなく身一つで脱出をした。

飛行機は衝突をしながらもパイロットのテクニックにより滑走路上に着陸をしたことでこのような避難誘導を実行することが出来たといいます。

以上を踏まえると確かにこれらの要因が揃うことは簡単ではありません。

しかし、客室乗務員やパイロットの訓練によって適切な場所に着陸し経路を確保する・乗客を逆らわせることなく誘導するという任務を果たせたのだと感じました。

日系航空会社の接客などの目に見えるサービスのクオリティはとても素晴らしく感動しておりましたが、命を守る為にこれだけの企業努力をしていたことは知りませんでした。

今回の事故に関して言えば日航機側の非は認められ難いのだから、なおのこと、仮に犠牲者が出てもそこまで責任を問われることはないのだと思われますが、このような水面下の努力というものをしていたからこそ実現できた脱出劇が飛行機事故の犠牲者を出すまいとする強い信念を表していると感じました。

また、このたびの震災の罹災者の為に尽力されようとし、この事故で犠牲となった方のご冥福を祈るとともにこのような事故が少しでも減ることを祈るばかりです。