労働市場改革「ジョブ型」

労働市場改革「ジョブ型」

政府は2023年の経済財政運営と改革の基本方針で、

労働市場改革の柱として「ジョブ型」の普及を掲げた。

 

企業が年功序列を脱し、成長に向けた人事改革を達成するには、古い制度を捨てて従業員にとことん説明する必要がある。

 

食品大手のカゴメは、古い人事制度を捨て、有沢正人氏率いる人事チームが、海外と国内の拠点を訪問し、現状を分析して制度の刷新に取り組んだ。

 

柱となったのが職務で賃金が決まる「ジョブ型」への移行であり、社員の納得感を高めるため、処遇が落ちる人にも新制度を説明し理解を求めた。「上司としては部下に差を付けたくないのが人情だ」と有沢氏は語る。ポストで処遇に差が付く「ペイ・フォー・ジョブ」こそ公平だと考えた。有沢氏ら担当者は一人ひとりに新制度を説明し「今は下がっても次に上がるチャンスはある」と理解を求めた。

近年、ジョブ型を導入する企業はまず「ジョブ・ディスクリプション(職務記述書)」の作成から始める。有沢氏は「仕事の中身は毎年変わる」とし、ジョブ・ディスクリプションは作らなかった。一人ひとりがKPI(評価指標)目標シートを作り、なるべく定量的に到達度合いをみる。希望を踏まえた人材配置を進める仕組みも整え、自律的なキャリア形成を促した。日本企業でもジョブ型を導入する企業が増えているが、ただ導入するだけでは効果は上がらない。

単なる年齢や勤続年数による昇進ではなく、実績やスキルに基づく昇進がされるため、努力や能力が反映され、働く人のモチベーションが向上する可能性がある反面、仕事の評価が数値化されるため、やりがいを感じられなかったり一部の仕事に過度に集中するデメリットもある。

カゴメのように、それぞれの課題に合わせた制度を磨き上げ、経営陣と現場への権限委譲が必要である。

また、働く人が納得できる説明も不可欠であると感じる。

弊社では、ジョブ型を取り入れておりますが、やはり賛否両論ある。

政府が労働市場全体を変えるためには、多くの人が納得できる説明が必要であると感じさせられる記事でした。