再配達減、中古住宅に照準
出典:日本経済新聞
荷物の「再配達問題」が物流のひっ迫に拍車をかけています。国交省によると2023年4月の再配達率は11.4%で、人口の集中する都市部では12.6%と高まっています。トラックドライバーからすれば、再配達は「無駄な業務」となり、この「無駄な業務」の増加も物流業界にとっては重荷となります。政府試算によると、「置き配」などを活用して再配達を減らせば、トラック運転手3万人分を補う効果があるとみています。
国交省は中古マンションやアパートを対象に、居住者が不在時に荷物を保管できる宅配ボックスの設置費用を補助する方針を示しました。マンションの規模や身体・分譲かを問わず、1棟につき50万円を上限とした補助を2023年度中に実施を目指しています。一般的に集合住宅用の宅配ボックスは1個当たり10万円程度で、設置費用は所有者の修繕積立金などから賄われます。この負担を軽くすることで組合の合意形成を後押しする狙いがあります。
政府は10月にまとめた2024年問題の緊急対策で、配送時に「置き配」やコンビニ受け取りなどを指定した消費者にはポイントを還元する仕組みの導入を対策に盛り込みました。2024年度までに再配達率を6%に半減する目標を掲げています。
この記事を読んだ第一印象としては、マンションやアパート向けに宅配ボックスの設置を推奨することは非常に良いことなのではないかと感じました。私自身、ネット通販を利用することは少なくありません。時間指定や置き配を指定することで、なるべく荷物のやり取りが一発で終わるように努めてはおりますが、時間指定や置き配の指定によって送料が変わることがある場合、ついつい送料が一番安くなる配送方法を選択し、結果的に受け取れず、再配達を依頼することも多々あります。
宅配ボックス設置のメリットは何かを考えてみました。まず、不在時でも荷物をあとから受け取ることができる点から、受取人が再配達の依頼をする手間、ドライバーの再配達の手間を省くことができること。また、対面での荷物の受け取りは、言い換えれば知らない人同士が初めて顔を合わせるタイミングにもなります。配送業者を装った不審者によるトラブルを未然に防ぐこともできるのではないでしょうか。
今後、宅配ボックスが当たり前に設置されるようになる可能性は0ではないのかもしれません。