ロシア産エネルギー 続く影響力

出典:日本経済新聞 2023年9月24日(日) 日刊より

「9月21日に石油製品の輸出を一時停止するとのロシアからの表明をうけ、米欧の軽油先物価格が上昇しております。ウクライナ侵攻を根拠とする西側諸国からの制裁に対抗するかのように、アフリカなど対ロ制裁に同調しない「第三極」向けに輸出を増やしているとのことです。ロシアから第三極への輸出額は2022年比3倍となっており、価格への影響力を維持するとともに、原油価格にも上昇圧力がかかっており、1バレルにつき100ドルの大台が見えてきている状況です。

2022年時点でのロシアの石油製品の輸出シェアは1割程度と、米国に次ぐ世界2位の位置におり、輸出品の大半を占める軽油は自動車のディーゼルエンジン用燃料のほか、農業機械の燃料や暖房用で使われるため、秋口から冬場にかけて需要が伸びやすくなります。ロシア国内では製油所のメンテナンスなどで製品不足と価格高騰に拍車がかかっていることに加え、穀物収穫のために農業機械に使う燃料が不足しており、生産者などから不満の声が上がっております。この声を放置すれば2024年に控える大統領選でプーチン大統領の続投を妨げる原因ともなることから、石油製品の輸出停止は国内での供給を安定させる狙いがあるとみられます。」

この記事を読み、焦りを感じました。このまま石油・原油に頼る生活を続けていれば、世界的に物価は高騰し続け、いつの日か、何もできなくなってしまうのではないかと考えました。今現在よく耳にするようになってきた代替燃料に関しても、導入はまだまだ十分には進んでいないように思います。どのような経済制裁を課したとしても、必ず抜け道があり、ロシアのように友好国を中心に輸出量を増やすという抜け道を使わせてしまっている状況は悔しさすら感じます。この記事は「ロシア依存のリスクを改めて世界に印象付けた。」という文言で締めくくられていましたが、そもそもの問題は原油を自国の産業として持っている国が限られている点と、原油に頼らざるを得ない生活を送っている国が多いにも関わらず、すでに限界が見えている経済制裁を課し続けていることが問題なのではないでしょうか。ロシアの軍事侵攻を止める新たな方法を模索する必要性と、代替燃料等、石油・原油に代わる燃料の開発・活用により力を入れていくべきと感じました。新倉工業でも新燃料を扱う製品の開発が今後さらに進んだ時に置いて行かれないよう、しっかり勉強をする必要を感じた記事でした。