ヤッホー、フラット組織に合う人材求む  独自の採用術

日本経済新聞 2023年6月23日 5:00より抜粋

「クラフトビール大手のヤッホーブルーイングは「フラット」な組織文化をエンジンに成長を続ける。社内の意思疎通を密に図るため、社長も含めた全員をあだ名で呼び合い、入社2年目でも手を挙げればプロジェクトリーダーになれる。

社員採用にあたっては、独特の社風にマッチするか調べるため、選考フローを丁寧に組み立て様々な場面で志願者を見る。新卒採用を例にとると、選考に進むには原則インターンシップ参加が必要で、そのインターン応募には2時間程度の会社説明会への参加が必須だ。

直近のインターンでは、書類選考の内容を「学生時代に力を入れたこと」いわゆるガクチカに一本化。このガクチカで学生の過去を評価し、最終面接では製品開発のプレゼンを通じて現在と未来の行動を評価する。この3地点で一貫した行動ができていれば、学生がアピールする特性に再現性があると判断される。ヤッホーブルーイングでは、この「行動の再現性」が評価の軸だ。

面接はオンラインが中心。約40個の評価項目を測るため具体的にどのような質問をするか、回答内容によってどう判断するかをリスト化。誰が面接官をしても面接内容に差が出にくい上、明確な評価基準があるため、資質を的確に見極めることができるという。

同社の知名度が上がるにつれ、就職したい学生は増えている。オンラインであればどの地域にいても受けられることもあって、23年度卒の学生向け説明会への参加人数は採用人数の100倍以上。その中でも確固とした採用術で15人の採用を決定した。」

花札のようなデザインが目をひく「よなよなエール」、製品名からはおおよそビールとは想像できない「水曜日のネコ」などのひとひねりある商品を店頭で見るにつけ、こんな製品をうみだすヤッホーブルーイングってどんな会社なのだろうと興味がありました。社員同士をあだ名で呼ぶと知り、枠にとらわれないのは製品だけでないのだと妙に納得してしまったものです。しかし、なにより感銘を受けたのは緩急のバランスです。自由な社風でありながら、採用に対するルールは細部まで決められている。コロナ下で各社がガクチカネタを控える中でも、それが会社として重要と判断すればぶれない・変えない。採用担当者によって異なる評価にならないシステムを作る。このような、誰がやっても同じクオリティになる、というのは簡単なようで難しく、しかし企業として信頼されるために大切なことだと感じます。

私たち事務の対応は、人対人のため「いつでも誰でも同じように」は難しい部分もありますし、違うからこそのよさもあると思います。ただ、安全性や信用に関わるようなコアの部分はブレないように徹底していきたいと感じた記事でした。