マラソン実施率、東京都がトップ  大会が裾野広げる

日本経済新聞2023年7月21日 5:00より抜粋

「2007年に初めて開催された東京マラソンなどをきっかけに、一般市民でも取り組めるスポーツという認識が共有されランニングが流行している。この流行に乗じて全国で様々なマラソンイベントが実施されるようになったが、実施率を都道府県別にみると、東京都が15.3%でトップ。流行の火付け役となった東京マラソンの一般枠の抽選倍率は10倍超えが続いている。

一方、地方では参加者が定員割れになる大会も少なくない。開催関連費用の高騰で参加費が上がっていることなども背景にある。マラソンに詳しい鍋倉教授は「20年前は参加費3000円の大会も多かったが、今や10000円が普通。さすがに高いと感じる人が増え、独自性のない大会は参加者が集まらなくなっている。」と見る。例えば、岐阜県で開かれている「高橋尚子杯ぎふ清流ハーフマラソン」は人件費などの問題から参加費がフルマラソン並みに上がっており、有名メダリストの名を冠してもなお集客に苦戦しているという。流行に乗じて始めた地方のマラソン大会が淘汰されつつあり、都心部と地方のイベント実施率の二極化が進んでいる。」

市町村主催のマラソン大会は、イベントをきっかけに市民ランナーを増やし、健康寿命を延ばすことで公の医療費負担を減らす目的のほか、県外のランナーを招致する村おこし的要素も大きいとききます。実際、テレビや雑誌にうつることを考えて景観のいいところをマラソンルートにしたり、特産品を参加賞にしたりと市町ごとに工夫がみられます。人の動きがあることで地域の公共交通機関や宿、お店にお金を落としてもらえるし、ランナーが町の魅力を知って気に入ったら次は観光客として戻ってきてくれるかもしれません。しかしそれも、「あまたのイベントから選んで参加してもらえた場合」という大前提があります。都心部と違って地方都市はアクセスが悪いことも多く、不便でも行きたいと思わせることは高いハードルになります。しかし実際、毎年多くのランナーを集めている地方マラソンがあるのも事実です。そうしたイベントを調べてみると、シャトルバスを出してデメリットを解決したり、電気もまばらな田舎の村で満月の光を頼りに走る大会など弱みを逆に活用したり、他の市町のイベントと比較して自分たちならではの魅力を工夫して活用しているように見えました。

仕事にしても、自分たちの製品しか知らないよりは他社製品も勉強した方が、より自社製品のよさ・強みをアピールできるようになると考えます。数か月前の3分間スピーチでも同様の考えに至り、他社研究をしたいと言ったものの、時間ができたらやろうと今日まで来てしまったことを多いに反省しつつ、時間ができたらではなく自らに期限を設けて時間を捻出して取り組まないといけないと改めて思わせてくれた記事でした。