タイ、EV育成へ税優遇
タイのセター首相は日本経済新聞のインタビューに応じ、タイのこれからの経済政策に関して語りました。日本企業を含む外国企業を誘致して、電気自動車(EV)や水素などの脱炭素産業を育成するため、税制優遇やビザ発給の緩和を検討することを明らかにしました。
そのなかで、セター氏は投資拡大を続ける中国のEV企業を念頭に「日本企業は新分野への投資に積極的ではない」と指摘しました。また、「企業が円滑に環境配慮型のビジネスに転換できるようにするのが私の役目」と述べ、投資誘致の追加策に盛り込む方針を示しました。
セター氏はもともとタイの不動産開発大手「センシリ」の社長兼最高経営責任者を務めた経歴があり、元経営者としての手腕が期待されています。「外国から投資を呼び込むためのセールスマンであることを心掛けている」と述べ、経済を重視した外交を展開すると強調しました。
この記事を読み、セター首相の「日本は新分野への投資に積極的ではない」という発言が印象的でした。この「新分野」はこの記事においては「脱炭素」を指すと思いますが、日本においては『脱炭素ポータル』というホームページで、日本政府が掲げる脱炭素に向けた取り組みが紹介されています。その中に掲げられているいくつかの項目は、政府が、というより、私たち国民が「政府にとって正しい選択」をすることによって、はじめて実現される内容も含まれているように感じました。正直なところ、そのような選択を積極的にしようと思えるような働きかけや、PRなどを見聞きしたことが非常に少ない為、セター首相の発言の通り、やはり、世界的に見ても日本政府は消極的なほうなのかなと感じました。タイと言えば、世界最大規模の日本人学校があることからも、昔から日本企業の誘致に積極的なイメージを持っておりました。それは、タイの成長率の鈍化からくるものであったかもしれませんが、裏を返せば、『脱炭素』などの新分野への期待を大いに寄せているということなのかもしれません。実現するには、1国だけが頑張っても仕方がないことでしょう。タイの姿勢が少しでも世界に影響をもたらしてくれることを期待したいと感じた記事でした。