コメ相対価格、6月1割高

日本経済新聞2023年7月20日 20:43より抜粋

「農林水産省がまとめた2022年産米の23年6月分の相対取引価格は、1俵(60キログラム)当たりの全銘柄平均で1万3865円と、前年同月に比べて10%上昇した。相対取引価格はJAグループなどの集荷業者がコメ卸に販売する際の価格を示す。銘柄別では代表的な新潟産コシヒカリが6%上がったほか、主に業務用で使う銘柄の上昇が目立った。茨城産や千葉産コシヒカリも値上がりした。取扱量は6万5736トンで前年同月に比べ28%減った。大手コメ卸の担当者は「外食や中食など業務用の需要は底堅い。一部の銘柄は品薄になり、調達に苦労する卸も多い」と指摘する。

また農業新聞によると、2023年産の出来秋に向け、米の価格が回復する見方が業界で強まっている。主食用米の適正生産や上向く業務需要など、価格を上げる要素がそろってきた。米は需給で価格が決まるため、変動するコストを反映しにくく、実際、生産現場でも相次ぐ資材コストの高止まりが農家経営を圧迫しており、生産から流通まで「薄利」が当たり前とされた慣習から、抜け出す時だ。稲作の持続性を高めるには、生産コストの転嫁が必須。環境配慮や食料安全保障の面からも再評価し、消費者の理解を得たい。米を作る基幹的農業従事者のうち、49歳以下の割合はわずか5.5%。このままでは将来、米の供給力が弱まるのは必至だ。米は「もうからない品目」として、後継者に敬遠させてはならない。」とありました。

消費者側・生産者側の双方向けのニュースを並べてみましたが、自分もコメ農家で育ち、それを扱う仕事をしていたこともあり、いつもならば消費者側の視点になり、ただ物価高の上昇を嘆くだけのことが多かったのですが、このニュースによって反対側の立場や視点を考慮することの必要さを感じさせられました。その物事全体を見渡し、問題の本質が何かを考え、公平で包括的な解決策を見出すことが出来るよう、広い視野を持ちたいと思いました。

そして、今年のコメが、相次ぐ異常気象・天変地異に負けずに美味しく育ち、安定した需要と供給で流通してくれることを祈るばかりです。