インドでアンモニア火力、IHIが実証事業 NEDOも支援

日本経済新聞 2022/8/18 22:30  より抜粋

 

「IHIはアンモニアをインド西部の石炭火力発電所の燃料に混ぜて温暖化ガス排出量を削減する実証事業に乗り出しました。アンモニアは燃やしても二酸化炭素が出ず、早ければ2026年に始める計画です。医薬品事業などを手掛ける名古屋の興和とインドの発電会社アダニ・パワーが組んで技術面や経済性の課題を検証し、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が支援を決めました。アンモニアを20%燃料に混ぜる混焼をめざし、徐々に比率を高め、将来はアンモニアだけを燃料にする考えです。インドは70年までに温暖化ガス排出量を実質ゼロにする目標を掲げています。石炭火力の割合は約7割にのぼり依存度は高く、アンモニアの活用は排出削減と電力の確保に向けた選択肢の一つになっているとのこと。IHIはインドネシアやマレーシアでもアンモニアを使った火力発電に取り組んでおり、日本国内ではJERAと碧南火力発電所(愛知県)でアンモニアを混焼した実証を23年度内に開始するとのこと。

燃料としてのアンモニアは供給網がまだ構築されておらず、当面は天然ガスなど化石燃料がアンモニアの原料になるため海外での生産が見込まれます。世界で需要を拡大しながら生産量を増やし、価格を抑制できるかが課題の一つとなっています。」

例えば石油が燃えるとどれだけの二酸化炭素が発生するのが気になるところです。石油の構造はCH2が何個か並んだものです。N個とします。Nが1個でメタン、天然ガス、3個でプロパン、4個でライターなどに使われるブタン、8個程度ガソリン、12個程度なら灯油、それ以上は重油です。1個燃やすと1個のCO2と1個の水になります。式は割愛しますが、分子量より燃えた石油の約3倍の重さのCO2が発生することになります。家庭用のポリタンク20Lとすれば44㎏のCO2が発生します。またLNGはCO2に対して23倍の温暖化効果もっています。具体的に数字で表すとすごいものです。記事によると使用の開始はインドで26年、日本では23年ということですので急ピッチで進んでいるのがわかります。化石燃料の使用や窒素酸化物。大量にアンモニアが必要となったときの選択はどのようなものになるのでしょうか。