『米半導体が熱視線』
日本経済新聞より、『米半導体が熱視線』
中国、上海市で開催中の中国国際輸入博覧会に参加する企業のうち、米国の半導体企業の参加が増えてきております。
参加企業からは、米国主導の中国への先端半導体の輸出規制の緩和や、米中対立の激化を落ち着かせる効果を期待する声が上がっております。
特に、米国企業マイクロンは、米中対立の激化の影響を受けてきました。
具体的には米国による中国製品の輸入が禁じられた際、中国側でマイクロン製品の調達の禁止やマイクロン製の半導体の取り外しといった対抗措置を取られてしまったことから、受注の激減、赤字への転落を招いたことがありました。
同社は中国との関係改善を望んでおり、6月には中国の工場に約900億円を投資すると発表したうえで、最高経営責任者であるサンジェイ・メロートラ氏の訪中を決断しました。
現状、米政権が布く対中規制では、最先端の半導体の輸出を規制する一方で、一部の中国企業を除き、パソコン用のメモリーなどの非先端の汎用品に関連する製造装置などの輸出は認めているようです。
このように一部的な米国からの歩み寄りはあるものの、米政府が今後一層の規制強化に動く可能性もあります。
なぜなら、中国通信機器大手『ファーウェイ』が8月に発売した新型スマートフォンに自社開発の半導体を搭載してきたことに対し、米国からの半導体の輸出規制が不十分だったとの見方を示したためです。
成長する中国企業と、優位性を保ちたい米国企業の対立はまだ続くのかもしれません。
この記事を読む前、中国製品と聞くと、大変失礼ではありますが、なんでも他国の模倣をし、利益を得るというイメージを持っておりました。
最初は模倣から入った製品もあるかもしれませんが、中国企業が米国からの規制を受けながらも自社で半導体を開発できるほどに力をつけ、技術を磨いてきていたことに驚きました。
中国は世界の動きを察知し、人知れず先端技術を独自に仕上げていったのでしょう。
米国には自国の技術の流出を防ぎたいという狙いがあるのではないかと思いますが、同時に、先端技術に対する優位性を保つために素直に中国の底力を認めたくないようにも映ります。
お互いに技術を磨いてきた分、組み合わせることができればさらに技術は進歩するのではないでしょうか。
私自身、日々いろんな部署の方の職人技を目にする機会も少なくなく、非常に恵まれた環境に置かれていると自覚しております。
まだ周りに頼りながら業務をこなすことでいっぱいいっぱいになってしまうこともありますが、人知れず努力を重ねてきた中国企業のように、自分も一日でも早く、一つでも多く、自分の腕を磨いてゆこうと決意を新たにさせられました。