『米ドル1強、新興国に逆風』
米ドル1強、新興国に逆風:日経新聞より
G20参加国の通貨は対ドルで軒並み下落傾向が続いています。
年初来の下落率をみると、トルコリラ、日本円でマイナス8%台を筆頭に、韓国ウォンもマイナス5%台を超えております。また、オーストラリアドルでマイナス4%、カナダドルで3%の下落率となっております。
ドル高の背景には米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測の後退があります。
インフレ指標が市場予想を上回り、利下げ開始がメインシナリオだった6月からずれ込むとの見方が強まっております。
各国の自国通貨の価値下落による経済への悪影響には新興国も敏感になっており、特に通貨安に伴うドル建て債務の実質負担が増えることにより、実際に2022年のスリランカで発生したルピーの下落時のように、多くの国で事実上の債務不履行になる可能性すら考えられます。
国際通貨基金(IMF)によると、ドル相場が10%上昇すると、1年後の新興国の実質国内総生産(GDP)は1.9%押し下げられ、経済への悪影響が2年以上続くとされております。
すでにいくつかの国では通貨防衛の具体的な行動をとり始めております。
ブラジル中央銀行、インドネシア中央銀行は自国通貨安の是正を目的とした為替介入に踏み切りました。
しかし、新興国にとって好ましくないのはインフレ沈静化のための利上げを迫られることにより景気が冷え込む状態で、実際に多くの新興国では23年までに利下げモードに入っておりましたが、米国の利下げ時期が後ろにずれ込めばずれ込むほど新興国が利上げに再転換するシナリオも現実味を増しております。
18日には米国ワシントンでG20や、G7の財務相・中央銀行総裁会議の開催が予定されており、通貨安への対応策が議論となる可能性が高まっております。
これまで通貨の価値や経済の動向について、私自身、深く考えてきませんでした。
こちら側の通貨の価値が上がれば輸入が増えるだろうな、価値が下がれば輸出が増えるだろうな、ぐらいの表面的な考えしか持たずに生きてきました。
円安に関しても、今すぐにどうこうできない問題だろうし、銀行さんに頑張ってもらうしかないと考えていました。
この記事に出てきた『利下げ』という言葉。『利下げ』とは俗に金融緩和とも表現され政策金利を引き下げることを指します。金利が下がれば住宅や自動車などのローンの金利の引き下げにもつながりますから、消費しやすい環境になり、景気の回復につながります。
私自身が経済活動に貢献しているかというと、非常に慎重になっているなと感じます。
経済活動に貢献するということがどういうことなのか。
銀行任せ、他国任せのスタンスでは何も変わらないのなら、自分がどう動くのかを考えることはもちろん、少しでも『気にする』習慣を持つことで自身の生活に良い影響を与えるヒントをみつけることはできるのではないかと感じさせられた記事でした。