スタバ、接客マニュアルより「4つの歯車」 独自の人材育成
大手コーヒーチェーン店スターバックスコーヒーには、人材育成のための接客マニュアルはない。
同社の掲げる「ミッション」を浸透させることでスターバックスらしい従業員を育てるという。
育成の核となるのは「4つの歯車」と呼ばれる要素である。
1つ目は、ミッションへの共感。採用時から候補者の価値観を重視し、同社のミッションに共感できるかを確認する。ミッションは一言一句覚えるのではなく内容や本質を理解させ、店舗ごとのビジョンをもとにサービスを提供できるよう教育していく。
2つ目は、内発的動機の醸成。パートナーと呼ばれる従業員自身が「なぜここにいるのか」「どうなりたいのか」を自覚し、主体的に動く環境を作る。指導にあたるストアマネージャーは、対話を通じて個々の動機を引き出していく。
3つ目は、コーチングフィードバック。同社には目標設定と評価を繰り返す仕組みがあり、日々の業務でも具体的なフィードバックが行なわれる。よかった点やできたことを褒める行動強化と、改善のためのアドバイスである行動是正を組み合わせたフィードバックで従業員の成長を促す。
4つ目は、ビジョニングロールモデル。3ヶ月ごとに優秀な従業員や店舗を表彰するなどして学びの機会を提供する。理想の姿を示すロールモデルが身近に存在することで、具体的な目標や理想を立てやすくする。
これらの要素が連動し、スターバックスらしい従業員の育成とサービスの質の向上を支えているという。
この4つの歯車は、どんな組織においても、人が主体的に働くための重要な要素だと感じました。
仕事において「やらされている」と感じるのと、「自分がやりたい」と思うのとでは、大きな違いがあります。
スターバックスでは、対話を通じて「なぜこの仕事をしたいのか?」を深掘りし、従業員の内側から湧き出る動機を引き出す。
また目標となる人が身近にいることで、「こんな風になりたい」と思える環境を与える。これは、企業だけでなく、私たちの日常生活でも大切なことだと感じます。
私たちが周囲の人の良いところを認め、学び、伝えていくことで、お互いが成長できる環境を作ることができるのです。
単なるスキル教育ではなく、人を大切にし、成長を支える文化を作ることに重点を置くスターバックスの人材育成からは学ぶことが多くありました。
私も、自分の仕事や人との関わりの中で、相手の内発的動機を引き出し、共感し、成長を支える存在になりたいと改めて感じました。