訪問介護の倒産件数が過去最多 1〜11月、人手不足・報酬下げ響く
東京商工リサーチは3日、訪問介護事業者の倒産が1〜11月に85件だったと発表した。
既に2024年通年の81件を上回り、3年連続で過去最多を更新した。
ヘルパー不足に加え、24年度の介護報酬改定で基本報酬が引き下げられたことで小・中規模事業者を中心に経営が悪化した。
原因別にみると、介護報酬の減額や利用者の減少による販売不振が71件と最も多く、全体の8割以上を占めた。
負債総額は37億8800万円と前年同期から27%増えた。
政府が11月28日に閣議決定した25年度の補正予算案には、介護職員の賃上げや職場環境改善支援として1920億円が盛り込まれた。
担当者は『補正予算の効果が出るのが遅れれば、倒産増に歯止めをかけるのは難しいだろう』と話す。
訪問介護という社会に欠かせない領域が、今どれほど深刻な状況に追い込まれているのかを痛感します。
特に訪問介護は、施設介護とは違い、利用者の自宅へ赴いてサービスを提供するため、一人のヘルパーの負担が大きく、採用難や離職による影響を受けやすいという特徴がありますし、看護師は国家資格のため報酬が高くできる作業が多いが、介護士はそうではない特徴もあります。
ただでさえ働き手不足だという昨今の情勢の中で、このような職種に於いて報酬の引き下げが重なれば、経営が苦しくなるのは当然の流れです。
補正予算で賃上げや環境改善を支援する方針は、評価できますが、重要なのは即効性のある支援ではないでしょうか。
介護報酬の見直しを短期的な財政調整の手段としてではなく、長期的な社会基盤の維持という視点から考える必要があると感じます。
そして、訪問介護の価値そのものを社会全体が再認識すべき時期に来ていると思います。
人手不足を補うためのテクノロジー活用や、業務負担を軽減する制度改革、働く人が誇りを持てる待遇づくりなど、同時に進めるべき課題は多岐にわたります。
介護は、誰かが遠くで担う専門的な仕事ではなく、いつか自分自身や、家族にも直接関わる問題です。
この訪問介護の倒産増加というニュースは、日本社会全体に向けた警告として受け止め、次の一手を急ぐ必要があると強く感じています。
