診察予約「キャンセル料」、対象の医療機関は900超 運用まちまち
医療機関が診察のキャンセル料を患者に請求できるようになった。
損失を避ける目的だが、対象は一部のみだ。
周知は途上で運用にもばらつきがあり、医療現場では戸惑う声も聞かれる。
専門家は「実効性を高めるため一定の基準を整える必要がある」と指摘する。内科やアレルギー科などを抱える東京都内のある病院は、
「患者様のご都合による当日のキャンセルや予約変更については1回3千円のご負担をお願いしております」。
という、キャンセル料に関する概要をホームページに掲載した。
厚生労働省通知によると、事前に患者側に説明をして同意を得る必要があり、患者都合での直前でのキャンセルに限るといった要件を満たす必要がある。
導入可能なのは、同省に届け出て患者の希望で公的保険外の費用を負担する「選定療養費」として予約料を徴収している機関に限られ、900超に上る。患者側は選定療養費を払って予約すれば、原則30分以内に受診できる。
病院側は予約が入ると、必要な機器や薬剤、人手を確保する。
直前にキャンセルされた場合、全て無駄になる可能性が高い。
他の人の受診機会が失われることも病院にとっては痛手となる。
富山大学が2015~2018年に実施した調査によると、同大学病院では外来予約のキャンセル率が月平均4.6%だった。
ガンを判別するPET検査や内視鏡検査など、予定していた医師による診察行為を実施できないケースがあった。
このような事例を抽出して診療報酬点数票から損失額を推計したところ、3年間で1,435万円だった。
同大学は、「再診料や診断料、試薬料、人件費を加算すればさらに高額になる」と説明している。
こうした病院側の意見などを踏まえ、厚生労働省は3月にキャンセル料導入を認める方針を決めた。
ただ、どの医療機関でもキャンセル料が設けられるという誤解が広まった。
東京の歯科クリニックでは、選定療養費を徴収していない予約制をとっているが、一時的に「3回キャンセルの場合、3,300円を徴収する」と周知していた。
同省は5月末に「選定療養」という文言を追加し、限られた機関が対象と改めて通知。
上野賢一郎厚労相は「現場を混乱させた」と謝罪した。
これで混乱は収束するのか。そもそも、キャンセル料徴収を導入するか否か、徴収金額、徴収基準は各医療機関にゆだねられている。
中央大学院の真野教授は「損失を保護するという目的であれば、より多くの医療機関を対象とすべきであり、対象のはずだ、と思い込んだから当初の混乱が生じた。患者側がキャンセル料のない病院を選ぶ可能性がある以上、更に導入が進まないという悪循環を生みかねない」と指摘する。
また、「適用範囲や金額など、運用基準が無ければ無制限にキャンセル料を請求出来てしまう側面もある。
実効性を高めるためも、対象機関を拡大したうえで、例えば選定医療費の有無でキャンセル料に差をつけるといった基準を設けることも一案だ」と話す。
私は、今回のキャンセル料徴収のように基準が曖昧過ぎるのは問題と感じました。
基準は明確に、漏れなく、が理想的ですが、どうしても穴は存在します。
その穴を埋める一つに倫理感、道徳観があると思います。
もしかし、このキャンセル料徴収は倫理観、道徳観を試されているでしょうか。
先日、娘に懇願され、ミスタードーナッツの「もっちゅりん」を購入しに行きました。
ルールとして、「1グループにつき各1個まで」と記載がありました。
目の前に3世代家族が列に並んでいました。
その家族はルールを見るなり、他人のように振る舞い、3グループに分かれたのです。
その家族以外にも普通に会話していた夫婦と思しき二人がそれぞれ購入していたりと倫理観、道徳観がいとも簡単に崩れる瞬間を目の当たりにして、業務で基準などを作成するとき、最悪のケースを少しでも想定して、それに対する対策を講ずることができるようにしていきたいと感じました。
