アメリカが挑む豆なしコーヒー 分子レベルで味競う

アメリカの食品ベンチャー企業アトモ・コーヒーが、代替コーヒー「ビーンレス」の開発・販売を始めた。代替コーヒーはハーブのような独特の香りがあるものの、香ばしさや苦み・酸味のバランスはコーヒーに近い。開発にあたり、コーヒーの「味」を形作る28種類の分子の組み立てを特定。別の食材で再現した上でコーヒー豆の形に加工し、焙煎して香ばしさを引き出した。緑茶から抽出したカフェインも加えている。

 

サンフランシスコに本社を置くマイナスも昨年秋、ハーブやレンズ豆、ひまわりの種などを材料に、発酵技術を使って風味を引き出した代替コーヒーを発売。投資ファンドも注目する代替コーヒー開発競争の背景には、コーヒー供給の先行き懸念の高まりがある。専門機関によると、2022年の世界のコーヒー消費量は、30年前と比べほぼ倍増。

その一方で、気候変動の影響によりコーヒーの栽培適地は年々減少している。昨年はエルニーニョ現象でコーヒー豆が不作となったことも重なり、各国でコーヒーメーカー大手が相次ぎ値上げを決めた。

 

 

この記事で紹介された代替コーヒーは、果物の種や根っこなども原料にしているそうです。

食材の、本来なら捨てられる部分を活用することでゴミは減り、二酸化炭素排出も抑制できて地球に優しい。コーヒー豆の出来に左右されず、安定した価格で癒しの一杯が楽しめて人間も嬉しい。いいことづくめに思える代替コーヒーに興味がわき、他にどんなものがあるのか調べてみました。

シンガポールのプリファー社で開発した代替コーヒーは、豆乳メーカーから出る大豆パルプ、大手ベーカリーで余った前日のパン、ビール醸造所の大麦など、地元企業から出る、いわゆる余り物を活用しているそうです。ヨーロッパでは、コーヒーの木の葉から採取した細胞を増やして本物のコーヒーを作る植物細胞培養なども進んでいるとのことでした。

 

多くの人に愛されるコーヒーを、持続可能な嗜好品とするために研究開発を進めてくれている食品科学者たちに触発されて、私も家や職場でアップサイクルして活用できるモノがないか、視点を変えて見てみようと思った記事でした。