新来島どっく、船舶建造でDX 環境対応船見据え効率化
新来島どっくが船舶建造のデジタルトランスフォーメーションに乗り出す。
現場データを収集する基盤を整えてこれまで熟練者の経験に頼っていた工程や部材の管理を「見える化」。
データを活用して建造工程をシミュレーションするシステムを24年度中に築く。
船舶の環境対応や大型化を背景に生産現場の業務は複雑になっており、生産効率を高めて稼ぐ力を磨く。
建造工程の上流にあたる部材の加工や組み立ての工程表を自動で作成するシステムを24年度中に構築する。まずは3つの建造ドックを抱える主力の大西工場で導入する。
工程の作成には物流の配送計画などに使われる「数理最適化技術」を活用する。
人員数や設備能力、残業時間などのパラメーターを入力すると、これまでの作業の計画と実績を踏まえ、作業量を平準化した工程表が作成される仕組みだ。
システム構築に先駆け、20年度から工程などを見える化して一元管理できるデータ基盤の整備を進めてきた。
これまで職場ごとにエクセルなどを使ってバラバラに作成・管理していた工程や装置・部品類の在庫情報をシステム化して一元管理する。
職場ごとに必要な情報を選んで瞬時に確認できるようにした。
QRコードを活用して、リアルタイムで生産現場の状況を把握する。
24年2月には工程表と実際の生産現場の進捗などをパソコン上で確認・比較できるデータ基盤が完成。
集積したデータを基に作業ごとの予定所要時間などを再設定して、より現場の実態に即した人員計画や工程を作成できるようにする。
世界的に脱炭素の流れが加速するなか、造船業界でも環境負荷の少ない液化天然ガス(LNG)燃料船などの建造需要が増えている。
新燃料に対応する船舶は既存船よりも建造が難しく工数も増える傾向にある。
新来島どっくは今後の船舶需要の増加も見据え、DXで常に生産効率を改善できる体制整備を急ぐ。
私がこの記事を読んで感じたことですが、先々週新来島どっく大西工場を訪問してきました。
とても大きな造船所で多くの方が勤務されておりました。
あれだけ多くの人員と造船に関する多くの作業工程や資材の在庫状況などデータ化するの途方もない作業に感じます。
ですが、そうすることにより業務の無駄を少なくし効率よく業務を進めていくことで、多くの収益につながるのだと思いました。
また今後の新燃料対応船舶の建造を見据えての整備という点は注目すべき点であると感じました。
どの職種でも共通することですが、熟練者の経験や技術がとても大切になる場面は多いと思います。
技術はデータ化出来なくても、作業工程などの経験はデータ化出来、そうすることに作業効率が上がることは大きな利点であると思いますが、先輩から後輩へ継承という場面が少なくなるのは少し寂しくも感じました。