米EV急速充電、テスラ式が標準に GM・フォード採用

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「米テスラが電気自動車(EV)の急速充電設備を巡り、米国で規格統一の主導権を握ったアメリカのGMとフォードがテスラ式の採用を決め、標準仕様となる公算が大きくなった。

米国の急速充電サービス大手チャージポイントは12日、テスラの高速充電規格「NACS」に対応できるように自社のネットワークを刷新すると発表した。同日には同じく米大手のEVゴーも、テスラ式の充電器の採用を全米に広げると発表した。

これまで、こうした米国の充電サービス会社はテスラのNACSとは別の「コンボ(CCS)」規格を推進してきた。

テスラ式が米国で充電規格の中心になると業界が受け取ったのは、フォードとGMが2025年以降に投入するEVでテスラ式を標準仕様にすると発表したからだ。

米政権はEVや電池の自国生産を後押しし、充電器は30年までに50万基を設ける目標を掲げる。

現在は15万基でEV普及のカギとなる急速充電器はそのうち3万基にすぎない。政府はCCSを後押しする一方、急速充電器のシェア約6割をもつテスラに充電網の開放を求めてきた。

テスラは独自に規格を定め、自前でネットワークを構築し保有してきた。充電インフラの開放は、競合のEVの利便性を高めるデメリットがある一方、標準規格となれば充電網ビジネスで優位に立てる可能性が広がる。

米国市場で、GM、フォードはテスラに続くEV販売台数だが、台数には大きな開きがある。GM、フォードからすれば、規格争いよりも当面のEV普及を優先した格好だ。

テスラのNACSに比べ、CCSは故障が多いこともあり、充電器そのものの評価も低かった。カリフォルニア大学バークレー校が22年に実施した調査では、サンフランシスコの公共急速充電器181台に付属するCCS規格のコネクター657口のうち28%が使えない状態だった。

決断を迫られるのは日欧勢だ。今回、テスラ対応を打ち出したGM、フォードとテスラの米市場EVシェアは合算すると8割に迫る。充電ステーションの運営会社ベースでもチャージポイントやEVゴーなどが加わり、8割に達する。」

日本は、EV車への充電規格には、中国との共同規格であるチャデモを採用しており、世界的に見ても中国や日本でしか採用が進んでいない規格です。確かにEV車メーカーとしては勢いのある中国ですが、慢性的な米中関係の悪化により、少なくともアメリカでの政府による積極的な後押しは期待できないと言われています。

産業は規格・ルールを作ったものが勝利する。新倉工業も、舶用バルブのJIS規格に採用されることで、新倉工業というブランドを不動のものにしてきました。常にファーストペンギンでいるには、リスクも伴い、ハイリスクハイリターンな勝負に勝ち続けなければいけませんが、勝ち取ることでその後何十年にもわたる主導権が得られるのであれば、賭ける価値はあるのかと思います。

県内では、先日従量課金式のEV充電スタンドが、やっと実証実験が始まったばかり、今後さらに加速するであろうEV車普及の波を捉えていこうと思いました。