電気代が3年で3割上昇する可能性

出典:日本経済新聞 2023年6月7日(水) 日刊

今月6日に政府が閣議決定した2022年度のエネルギー白書によると、日本の2023年1月の電気料金は2020年1月に比べ、3割上昇したことがわかりました。

この電気料金の高騰はロシアによるウクライナ侵攻による影響が大きく、侵攻から1年以上たった現在でも、様々な国を巻き込む形で料金の高騰に拍車をかけております。

エネルギー白書では日本、米国、英国、ドイツ、フランス、イタリア、EUの7か国・地域の電気料金指数について、2020年1月を100として2023年1月までの推移を示しました。最も伸びが大きかったのはイタリアの307と、2020年に比べ3倍以上の高騰を示し、英国でも192、EUでは154、日本においては128と最も低い米国の126と同水準を示しました。

日本の電気料金指数が各国に比べて低い理由につきまして、液化天然ガス(LNG)の長期契約によるエネルギー源の調達が挙げられます。

長期契約の内容には、燃料費の変動が自動で料金に反映されるほか、上限を超えた分に関しては電力会社が負担するという仕組みが組みこまれております。

そのため、消費者の負担が実質的に減っているということにはなりますが、電力会社の負担額にも限界があり、負担感は増している現状です。

エネルギー白書はLNGの需要ひっ迫が2025年ごろまで続くと分析しており、各国による「LNG争奪戦」は短期間では終わらない見通しとなっております。

日本とイタリアの2017年時点での平均月収には大きく差があります。

2017年当時で、日本が約28万円、イタリアは約20万円と、平均月収に3分の1程度の差があることを知りました。

そんなイタリアでの従来料金の3倍にもなる電気料金の高騰は、もし自分の身に起きたらと思うと今当たり前に享受している生活の一部からあきらめなければならないものを考える必要があるような気がしてきます。

この記事の中にLNGという単語が出てきましたが、LNGのこれからの需要によっては、新倉工業にとっても、陸上製品のさらなる売り上げ、受注につながる可能性があるのかなと思いましたが、この需要がLNGの長期契約の都合上、偶然発生している感も私は感じてしまいました為、引き際も考えなければいけないと感じました。

今このエネルギー争奪戦に関して求められていることは、各国のエネルギー需要のバランスを正確に算出し、どこか一国が不満あるいはどこか一国だけが満足するようなバランスにしないように仕組みを整えることだと考えました。